先日の公開シンポジウムでの宮田先生(北里研究所病院)の資料より抜粋させてもらいます・・・シックハウス症候群が問題化した理由は非常に簡単です。旧来の建物では、換気が十分で、空気汚染物質も少ないのです。新しい建物では、換気が悪く、新建材からはガスが猛烈に発生しているからです。厄介なことには、学校には空調施設が付いていません。 シックハウス症候群という空気汚染からは、中毒、アレルギー疾患、化学物質過敏症などが生じてきます。中毒は化学物質が多いと出てきます。アレルギーや化学物質過敏症は化学物質の量が少ない時に出てきます。(中略)・・・教室を考えて下さい。音楽教室は防音の密室です。パソコン教室はホコリを入れないために密室化しています。大人は換気付きの部屋で、子供はガス室で作業が行われているのです。(中略)・・・化学物質過敏症とは、非常に微量な化学物質に神経系が反応して、種々な症状が出てくる状態です。(中略)・・・一旦発症してしまうと、なかなか治りにくいのも特徴の一つです。 その症状は非常に多彩ですが、学習障害、意欲低下、いらだち、切れやすいなどの精神症状や、自律神経症状などが、患者にとってはつらい症状です。しかし子供さんでは、その症状はなかなか自覚しにくいと思います。また化学物質過敏症はアレルギー疾患を有する人に起こりやすいですし、化学物質過敏症になっている人にアレルギー疾患も出やすいという、過敏性が非常に近い関係にあるようです。(中略)・・・治療と予防は同じと考えて下さい。その状態がシックスクール症候群であるかどうかを確認し、発症原因物質を探し出し、それを排除するとともに、その体に入ってくる不必要な化学物質の総量を減らすことです。規則正しい生活、適度の運動と入浴で新陳代謝などを進める。そして十分なビタミンと、ミネラルの補充という古来からの養生が一番重要です。  建物について言えば、換気が一番重要であることは当然です。これは空気の汚いパリ市民病院からの報告ですが、それでも自然換気が空調という人工換気よりも症状や病気が少ないのです。(中略)・・・病気の予防には環境の改善しかありません。昔は感染症の予防だけでよかったのですが、現代は化学物質対策も非常に重要になってきています。シックスクールの問題は、その環境問題のほんの一断面にすぎません。・・・北里研究所病院 臨床環境医学センター 客員部長 宮田 幹夫先生の資料より抜粋させて頂きました。・・・・・私達住宅建築に関わるものが何を今しなければならないか?有害物質を出す材料を極力使わないこと、そして今、 起こっていることを正しく伝えていかなければと・・・まだまだ勉強不足ですが、本を読んだり、このようなシンポジュームに出たりして勉強して良い家を建てていきます。

No.1056 | 2005年7月5日 | ぴょん子